7/9夜 MODE公演 原作:近松門左衛門 笹塚ファクトリー 孫高宏 山田美佳 中田春介 榎本純朗 栗須慎一朗 松下太亮 得丸伸二 南真理子 山田実紗子 和田友紀
原文っ!
二役っ!
舞台増えたっ!
この三つで観劇記はもういいや(笑) 面白かったぁ。 なんか、芝居って、舞台って、ホントになんでも有りなんだなあ。 いろんなことができるんだなぁ。
頑張って読みました。 近松の原文。 と言うより、途中からはあんまり苦労しなくても読めるようになってきたけどね。 (ただ、言葉の解説をちゃんと全部見た方が、より理解できます) 面白くなっちゃったし。 途中なんか泣けちゃったし。
だから、お芝居でどうなるのか、すごく興味があったし。
劇場に入ってまずビックリ。 客席が壁に寄せて三方向。 つまりコの字。 「列」じゃなくて「ブロック」なの。 お客さん同士、全員顔が見えます状態(笑) しかも、入り口(もぎりの場所ね)に近い方が半分くらい塞がれていて 劇場の奥半分、って感じかな。 役者が出入りする、言わば「舞台袖」に当たる部分が5ヶ所。
って、文章で書いてもきっとさっぱりわかりませんね(笑) まあ、そこはいいや。
セリフは全部原文のまま。 読んでなくても、たぶんおおよその意味はわかると思います。 でも、読んでたからやっぱりその分面白かった気がするなあ。 ほら、かけことばとか多いし。 独自の言い回しにはちゃんと注釈がついてるのも読んでたし。
一応、着物は着ていますが、でも男性は普通の短髪。 そして、話の筋に関係ない人物のとき(ト書きを読む人とか)が出るときには なぜか現代の普段着。 ジーンズとか。
そんな中でちょっぴりおふざけもあったよ。 原文のセリフの中に「トイレットペーパー」って出てきたり 叔母様がいるんだけど、シルバーのショートカットで マダムがかける大きなサングラス(ムラサキのヤツ)にチェーンがついてたり。
でも、本当に原文のままでお芝居が進行しました。
ストーリーはめんどくさいので書きませんが(スマン) 治平衛という男がいまして、女房のおさんという女性がいまして そして遊女の小春という女性がおります。 この三人を中心としたお話なのですが、なんと小春とおさんは一人の女優さんが二役。
だから、始まる前にキャスト表見てて「えっ?」って声に出しちゃった(笑) 確かに二人が一緒に出る場面はないんだけど、どっちもヒロインだからさ〜 なんか大変じゃないの〜
でも全然違和感なしだった。 むしろ、この男はこう言うタイプが好みなのかと納得したり(←違うってw)
正直、芝居と言うか「演技」という観点から見れば そんなにすごいとは思いませんでした。 うわ〜こんな芝居するんだ〜!、みたいなのは何もナシ(←スイマセン) それはセリフが難しいということかも知れないし、 何しろ全然知らない役者さんたちなので、普段どういうお芝居をしてるのかも知らないし わりとみんな、淡々としたお芝居でした。 つーか、むしろ棒読みに近い感じ?(←スイマセン) そういう演出なのかも知れませんが。
だけど、もともとのお話の人物関係が面白いので そこはあんまり気にならなかったし。 ストーリーを知っていたからかも知れないけど、 「このあとの場面はどうなるの〜」って気持ちでずっとわくわく観てた。
原作は「上之巻」「中之巻」「下之巻」「名残の橋づくし」という四段から成っていますが 一幕で「上之巻」、10分休憩はさんで二幕前半が「中之巻」 そのままなんと、塞いでいた部分の壁を芝居中に取っ払って「下之巻」になりました。
だからそこからは、今までコの字の真ん中でちまちま(笑)芝居してたのが いきなり階段ステージが現れた形で広い舞台に。
そしてラストの「名残の橋づくし」が心中に至る場面なのですが、 その階段ステージを目いっぱい使っての二人芝居で。 う〜ん、なるほど。演出考えたのね〜。
読んだだけではわからなかったことが芝居になる面白さと言うのは ほかの戯曲でも同じですが 読み慣れない言葉さえも、やっぱり音になって聞くといいもんだなと思います。 古文な上に関西弁だから、リズムもよくて退屈しなかった。 きっと、歌舞伎とかもそういうことなんだね。 現代の言葉じゃなくても充分に意味はわかるし面白いんだろう、きっと。
そして一番面白かったのは、やっぱり読んだときに泣けたところでした。 「おさん」がいい役なんだよ〜 どうしてこんなにいい奥さんがいるのに、遊女なんかに入れあげたのか そこは理解に苦しむところではありますが(笑)
おさんが、小春を身請けするために、 ありったけの財産を治平衛にもたせようとする場面があるのね。 自分のへそくり(と言うか、商売のためのお金なんだけど)を出して、 さらに家中のありったけの着物と言う着物を質に入れるために 箪笥から出してくるところがあるの。
これをどうするのかな〜って思ってたのね。 箪笥もあとから出てくるのかな、って。 そしたら、箪笥は出てこないで、おさんが奥へ走って引っ込んでは 着物を抱えて走って出てくる。 また走って引っ込む、走って出てくる。 それを延々繰り返して、ついには子どもの一張羅まで出してくるんだけど もうホントにやりきれない気持ちになるんだよ。
子どもは、黒子さんが人形を使って演じてたんですが これが可愛いんだ。 なんかぶさいくで(笑)
心中も、あんまりグロくならない演出で、まあそこはよかったんだけど。 翌朝、町の人たちに発見されるのですが、 そこは全員現代の衣装だったな。通勤途中のサラリーマンとかいて。 で、死んでる二人を携帯で写メ撮ったりして。
それはいらなかったと思う。 ちと余計。 ラストなだけに残念な感じ。
どっちにしろ、ストーリーに救いはないんだけどね(笑)
でも、見たことのないものは面白いですね。 ほとんどの人が二役か、中には三役なんて人もいて。 最小限のセットで、途中で舞台そのものを大きくするとか。
なにより、古文のままのセリフがすごく面白かった。
だけど、自分の足元ってかホントの目の前でお芝居されるので 稽古場の壁に椅子並べてお稽古見てるときみたいな雰囲気(笑)
さて。 チェーホフ読んだし、近松読んだし、 私は来月までにダンテは読めるのでしょうか・・・?
ムリかなぁ。
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