かもめ
7/2昼  赤坂ACTシアター
藤原竜也 鹿賀丈史 美波 小島聖 中嶋しゅう 藤木孝 藤田弓子
たかお鷹 勝部演之 麻実れい ほか



楽しかったぁ!!

変(笑)?


いや、チェーホフどうなるのか興味津々だったし。
なあるほど。 こうなったわけか。


またも母親と息子。
そして人生に絶望。

なんだかリンクするものだなあとも思いつつ。



戯曲読んで、どうしてこれが喜劇なのかさっぱりわからなかったんですが、
うん。  喜劇だった。
この狭い世界での人間関係のドロドロみたいなものに
お互いにしばられている人たちは滑稽なのだ。

まあ、笑わせようとしすぎてる部分もあった気はするけど、
とにかく全体的に役者さんたちは「チェーホフの喜劇」を
いい感じで演じていらしたと思います。

そして、主役はやっぱりニーナとアルカージナだったな。
読んで、どうしてもそうとしか思えなかったんだけど
見てもやっぱりそうだった(笑)
つーか、藤原・鹿賀の使い方がもったいないとさえ思える。

もっとガッツリ火花散らして欲しかったのに。 寂しいわ。


そして、新訳はどうなの?
あれでよかったのでしょうか?
すごく現代調なんで、聞き取りやすくはある。でも全然ロシアっぽくはない。

そして「セレブ」とか「熟女」とか「ムカつく」とか、そう言う言葉にちょっと違和感。

19世紀末だから別にすごい大昔とは言えないけど
でも20世紀になる前の、それもロシアだからなぁ。
古めかしい言葉を使えとは言いませんが、
古めかしい言葉はそれなりに趣のあるものでもあるし。

パンフに「ボロすけ!」というセリフについても書かれてました。
そんな日本語はないのだけれど、
どうしてもひとことで「ボロっちい服を着てるヤツ」を表したかったから新語なんだって。

だからこそ「新訳」(笑)?  ま、ありと言えばありかもね。



一番印象に残ったのは美波ちゃん。
すごく上手いのか、それとも役と彼女がうまくマッチしたのか。
初めて観るんで、他の役と比べられないのだけれど。

ごくごく普通の女の子なんだけれど、
ちょっと不思議な透明感と言うか、ユニセックスな雰囲気がありますね。
少年とか妖精とかが見え隠れするような。
まあ、ニーナは目立つ役だから、ってのもあるけれど
彼女次第でトレープレフが変われるか変われないかも決まっちゃうし、
難しい役だろうと思います。

可愛かったし、セリフもすごく聡明な感じだったので
彼女でオフィーリアとかジュリエットが見られたらな、と思いました。
いえ、某杏ちゃんを否定しているわけではないのですが(笑)やっぱり持ち味ってあるじゃない。
エレンディラ、観ればよかったな。
またいずれ何かでお目にかかれれば。


そして、トリゴーリンとアルカージナは、思い描いていたのと全然違った(笑)
ちょっとやり過ぎくらいに二人とも軽いぞ。


大女優アルカージナに、ターコさんこと麻実れいさん。
アルカージナもっと高尚で気難しいベテラン女優のオーラをまとった人なのかと思ってたのに。
可愛い〜♪ホントにただのおばちゃんじゃんね。
もちろん女優さん(←アルカージナがね)だから若くてキレイでプライドも高いのだけれど
ワガママで甘えん坊で自分勝手で楽しいことが好きでめんどくさいことはキライで。

そして息子のことは愛している。
あんまり母親らしくはないけれども。

アルカージナとトレープレフ母子は、
実はちょうどどっちも、私と息子と同世代。
う〜ん、ああいうケンカができるってことは、やっぱりどっちも変わってると思うな(笑)


そのアルカージナの恋人であり、
のちにニーナとも愛し合う売れっ子作家トリゴーリンに鹿賀さん。
もっとシブイ人かと思ってたのに、
しかも、もしもそうでないのなら素朴な人にして、と思ってたのに。

これまた軽い(笑)

そうか。年齢設定がまだまだ若いんだね。
ただの考えなしのプレイボーイじゃん。
作家としての才能とか力量はちゃんとあるみたいだけど
それ以外はあんまり深いこと考えてなさそうだし。

いつもの鹿賀さんの声なんだけど、でもちょっと若作りしてるかな。
すごく可愛いです。 セリフの間にも鹿賀節が出てる。
アルカージナには逆らえず、ニーナの一途な思いにはつい応えてしまう。

ただ、チェーホフ自身が「書く」と言うことに対して思っていることを
トリゴーリンが全部セリフにしているために
「作家として生きる」と言う一面を大きく前面に出さなくてはならないので
そう言う意味では鹿賀さんならではの重みもあって
「アルカージナが売れっ子作家を恋人に持つ」意味も
「ニーナが芸術家に憧れる」意味も
「トレープレフが力のある作家に嫉妬する」意味も
やっぱりトリゴーリンにかかって来てしまうと思います。

軽くて、重い。



さて。
そしてお目当ての竜也くんです。
やっぱしいつ見ても何度見てもキレイだわ〜(笑)

ただ、トレープレフは弱いオトコなんで。

あのさ、まったくの「受け」の芝居なのね。
ってか、役がそういう役なんだけど。 辛抱役。
愛してくれるのを待つ。
チャンスが訪れるのを待つ。
誰かが評価してくれるのを待つ。

みずからの意思を貫き通すニーナと、対照的に描かれているこの役を演じるのは
仕掛けられる芝居のひとつひとつを受けなくてはならないし
特に4幕で変化したところではほとんどセリフもなく動きもないままで
ラストの絶望まで力尽くで持って行かなきゃならない。

そして、とにかく冒頭からトレープレフは浮いてなきゃならないし。
年齢のわりに子供っぽくて、ママに誉めてもらいたくて
ニーナに愛してもらいたくて、みんなに才能があると言われたくて。
でも、それは欲するばっかりで自分で誰かのために何かをすることはなくて。

またもダメなヤツだよ(笑)
それがまた可愛いんだな。 
もう最近は自分がそういう趣味になってきたのかと錯覚するよ。 ホントに。

竜也くんは、私が思うに役者としては声で損してる部分があると思う。
ハスキーだからね。ツヤ声じゃない。

でもさ〜、私はそこも好き。
あれで美声だったらちょっとイヤ(笑)
アルカージナとの丁々発止のやりとりが一番面白かったかも。
またも母と息子の超掛け合いだよ。
19世紀も21世紀も変わらないのかしらねぇ。

すごく余計な情報ですが
竜也くんと美波ちゃんの顔がすご〜く小さくて
鹿賀さんが間に入ると・・・(以下自粛)


そしてマーシャという役が最後までよくわかりませんでした。
戯曲読んでもわからなかったので、見ればわかるかと思ったんですが。
トレープレフに片思いなのはわかる。
でも愛が届かないから喪服を着てることの意味はわからない。
視覚的に、舞台で見れば何らかの意味が見出せるかと思ったのですが。

おそらくは、ニーナと対照的な女性が描きたかったのかな、とも思いますが
でも、ニーナは一番忙しい人で(忙しいって言い方は変だけど)
「ニーナとアルカージナ」「ニーナとトレープレフ」「ニーナとトリゴーリン」
って図式があるんですよね。
マーシャとはあんまし比較にならないし、かかわりも出てこない。

そこが残念。


一幕では確かに湖のほとりって感じが出ていましたが
(ちゃんと日が沈んで夕闇に包まれる照明とかね)
でも戯曲で感じたロシアの田舎のだだっ広さはあんまり感じなかったなぁ。
と言うよりも全体的にあんまりロシアっぽくない。

まあ、そこにこだわることもないけどね。


もう一回観てもいいかなぁと思いました。高いから無理だな(笑)
そして、もうちょっと小さい劇場でやった方がいいような。

あ、あとパンフ。
あのさ、チラシはしょうがないよ、早く作らなきゃならないから。
だから「カメレオン」撮影中のボサボサ頭のヒゲづらの竜也くんでもしょうがない。

でもさ〜パンフの写真は撮りなおして欲しかったなぁ。
チラシの写真とまったく同じなんだもの。
お稽古写真が多かったのは嬉しいけど、
写真集をあんなに大々的に売りに出すなら
パンフはキレイな竜也くんが欲しかったです。

今日見た本人がキレイだったから余計に(笑)

【2008/07/02 23:24】 | 観劇日記08 | コメント(0) |
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